2020年度 実施報告

報告:JAFSAオンライン研修「第1回 国際共修を実践から学ぶ -オンライン授業の導入で変わる学び、変わらない学び-」(2020年7月17日・31日、Zoomにて)

研修の様子

研修の様子


開催データ


国際共修を実践から学ぶ
―オンライン授業の導入で変わる学び、変わらない学び― 
 日時:2020年7月17日(金)・31日(金)
 オンラインにて(Zoom)
 参加者:21名/18団体会員大学

講 師:(講義順、敬称略)


末松 和子
  (東北大学 総長特別補佐(国際交流担当)
   高度教養教育・学生支援機構 グローバルラーニングセンター 副センター長・教授)
平井 達也
  (立命館アジア太平洋大学 教育開発・学修支援センター センター長・教授)
米澤 由香子
  (東北大学 高度教養教育・学生支援機構 グローバルラーニングセンター・准教授)
秋庭 裕子
  (一橋大学 経営管理研究科・講師)

研修内容:


第1日目 7月17日(金)
・なぜ今国際共修が重要なのか&国際共修を企画するコツ
・オンライン教育ツールの基本的な使い方&オンライン国際共修プログラムの実際から学ぶ
・グループ編成の発表とアイスブレイク
・オンライン国際共修プログラムの概要について話し合う
・質疑応答、まとめ(講師陣)
第2日目 7月31日(金) 
・オンライン国際共修プログラムの内容 グループ発表
・質疑応答、まとめ(講師陣)

参加者:21名/18団体会員大学 (参加者所属機関50音順)


追手門学院大学、大阪学院大学、神奈川大学、関西大学
共愛学園前橋国際大学、高知大学、十文字学園女子大学
昭和女子大学、信州大学、東海大学、同志社大学、福井大学
福岡女子大学、福島大学、法政大学、山梨学院大学、立正大学、立命館大学


参加報告


報告者:竹内 愛 (前橋国際大学)


研修概要:


 言語及び文化背景の異なる学習者達が、教育的な仕掛けにより新しい価値観を創造する学習体験は「国際共修」と呼ばれ、近年注目を集めている。本研修では、2回のオンライン研修で国際共修の意義や仕組みを理解し、国際共修プログラムをオンラインでどのようにデザインするかを実践的に学んだ。 


各講義内容について:


◆研修1日目◆
1. 「国際共修とは?」
 アイスブレーキングを兼ねて、参加者と講師が簡単な自己紹介を行った後、国際共 修の定義や効能等、授業設計の要素等、基礎知識の講義を受けた。留学生と国内学生が同じクラスでディスカッションをすると言った授業形態が必ずしも「国際共修」とは言えず、異文化の学習者同士が新しい価値観を創造出来るように、ファシリテーターが「意味ある交流」を意図的に仕掛けることが必須である、という視点が印象的だった。

2.「オンライン国際共修の実践例」
 1日目の第2部として、東北大学の「海外4大学の学生と東北大学生の国際共修」、一橋大学の「Online conversation partner」そして立命館アジア太平洋大学の「社会人の為の国際共修プログラム」について、それぞれのプログラムを担当する本研修の講師達から、実践例の紹介があった。コロナ前からの既存のプログラム、このコロナ禍で急遽オンラインに切り替えたプログラム、いずれも具体的な事例であり非常に参考になった。
 
3.「グループディスカッション」
 本研修では、研修参加者自身が国際共修プログラムを開発し、グループプレゼンテーションを行うことを目指す。1日目の第3部では、事前アンケートの結果によって分けられた4つのグループが、Zoomのブレイクアウトルームを利用してディスカッションを行った。プログラム開発に向けてテーマの具体的な絞り込みや、どのような要素を研修に取り入れるのかある程度のブレストを行ったところで、1日目は終了となった。

◆研修1日目と2日目の間◆  
4.「オプショナルミーティング」
 1回目と2回目の研修の間には、参加任意で各グループが進捗状況を共有したり、他グループのメンバーと交流することを目的としたオプショナルミーティングの機会が設けられた。講師陣も全員参加しており、和気藹々とした雰囲気のミーティングとなった。

◆研修2日目◆ 
5.「グループ発表」
 この1週間の間にグループで準備を進めた国際共修プログラム開発について、各グループが20分の持ち時間で発表を行った(G1. 国内学生と留学生が履修する国際共修授業、 G2. 現地留学に代わる新しい留学プログラム、G3. 海外フィールドスタディに代わる新しい海外体験プロジェクト、G4.オンラインでの言語・文化交流)。このコロナ禍でも実現可能だと感じさせるプログラムばかりで、今後の実践にすぐに取り入れられそうな要素が各グループともに多かった。観光をテーマにしたグループが多かったことが印象的であった。


全体的な感想:


 国際共修の基礎知識講義から始まり、参加者が開発した研修プログラムの発表で終わるという、理論と実践が組み合わさった本研修は、オンライン国際研修プログラムを作成する手法をオンラインにて学ぶという、新しい形式の研修でもあった。コロナ禍で試行錯誤しつつ国際教育業務に携わる参加者達にとって、貴重な情報交換の場ともなった。ほぼ初対面のグループメンバーと短期間で発表準備をするのは困難な面もあったが、経験豊富な講師達がグループメンターとして参加して下さり、随所でフィードバックを受けられたことが励みになった。この状況下でも国際的な学びは止めない、という思いを新たにすることが出来た有意義な研修となった。 


講義の様子

オンラインツールを使用したグループ発表のコメント